月食のしくみ
まず、地球の昼と夜について
太陽の光が地球に当たっています。
陽があたっている面が昼間。
その裏側、つまり、陽の当たらない側が夜です。
地球が自転するため、昼と夜がくり返します。一回の自転は24時間です。
地球のかげ
下の図をみてください。
太陽の光が地球に当たり、地球の影が宇宙空間に長く尾を引きます。
月は地球の周りを回っています。
月が運動するうちに、地球の影に入ることがあります。
「地球の影が月に落ちる、」といってもかまいません。
地球の影に月が入ると、月が欠けてみえます。
これが月食です。
(太陽、地球、月の全体的な位置関係は こちらの図が参考になります。)
地球から月をみると、月に地球の影が落ちると下の図のように、月が欠けて見えます。
バックが真っ暗なので、月以外のところでは地球の影はバックと区別つきません。
(図の紺色のところと黒とは実際には区別できません。)
月食を3.6倍楽しむ方法
―― たった一枚の月食のスケッチから月までの距離と月の直径が何kmかわかる ――
そんな 魅力的な月食の見かたを紹介します。
題して 「月食を3.6倍楽しむ方法」
月食の様子をスケッチしましょう。
写真も簡単にとれます。
画像=学研ポケット図鑑5(page 24)より
月に落とされた地球の影をスケッチしましょう。 もちろん写真でもOKです。 影の丸みを正確にスケッチするのが成功のコツです。
下の図のように影のまるみにぴったりあう円をコンパスで書きます。
1. わたしのスケッチ
2. 影のまるみにぴったりあてはまる円をコンパスで書きましょう。
(精度をあげたい人は、肉眼によるスケッチでは不満でしょう。 小さな望遠鏡や双眼鏡で見てスケッチするか、写真に記録するなど工夫しましょう。) (背景の星空といっしょに記録する方法もあります。) それができれば、地球の影の輪郭はもっとはっきりします。
月の直径は何km でしょうか? 計算してみましょう。
コンパスで描いた円は地球の影をあらわしています。(図を参照)
おおげさに描くと...
月は地球より小さいようですね。
「地球の影の直径」と「月の直径」の比は??自分のスケッチを使って求めてください。
例えば、スケッチで、月の直径が 2 cm 、地球の影の直径が 6 cm だとしましょう。
(月の直径):(地球の影の直径)= 2:6
これで、第一ステップは完了しました。
(月の直径):(地球の影の直径)
の比がもとまりました。
地球の直径は測量できます。約12700kmです。
第二ステップです。(最終ステップですが、、、)
地球の影の直径はそのまま地球の直径とみなしましょう。
第一ステップで求めた比は、(月の直径):(地球の直径)とみなせます。
地球の直径 約12700km は分っていますから、月の直径が求められます。 上の例では、
なので
となります。
では自分のスケッチから、月の直径を求めてください。
実際に月に行かずに月の大きさがわかったのですから、大成功です!
これであなたは小さな天文学者 !!
上の話はちょっとおおざっぱでちょっと不正確です。実は、 もっと正確に月の大きさや、月までの距離を求める方法もあるんですが。 もっと深い話を聞いて勉強してみたいよね。
月食を楽しもう ページ一覧
「月食を楽しもう」は2000年6月に公開された記事を編集・再構成したものです